１.適切な型が取れていること。義歯の縁が必要な部分を覆っている。
    大きすぎず、小さすぎず、適度な大きさ。

２.上下顎のかみ合わせが安定した位置にあること。
　バランスの取れた力が義歯全体につたわる。痛くない。

３.噛む力が顎の骨に垂直的に伝わるような人工歯の配列。
　義歯が外れない。痛くない。

４.旧義歯の悪いかみ合わせを是正するトレーニング

５.治療用義歯の活用

６.後処置なしの義歯の完成が目標

前段階で顎の位置の変化に伴い、人工歯を再配列できました。旧義歯の悪いかみ合わせに慣れていると、なかなか、良いかみ合わせになってくれません。でも、良い環境を整えてゆくと、痛くないし、外れにくいので、少しずつバランスの取れた上下の顎の関係に改善されます。
そのために、ある段階で治療用の総義歯をいったん作ります。
そうすると、さらに高度な状況でのかみ合わせの是正が行われます。徐々に痛くない、転覆しない、浮き上がらない、よく噛めるという状況になっていきます。
例えば、あつらえの洋服を造るとします。いったん、ある程度の物を完成して、使用して頂きます。色々問題がありますが、すべて改善します。問題は無くなりますが、修正しているため、全体としては整合性がありません。そこで、それまでのデータを残しながら、まとまりのある完成品の洋服を再度、造ります。これが治療用義歯の働きです。

もう、おわかりでしょう。部分入れ歯も総入れ歯もピッタリ合うための条件は顎位(あごの上下関係）の是正につきます。痛い総義歯は裏側がとがっていると思われがちです。意外ですが、問題は上下の顎の位置関係です。かみあわせが悪いので無意識的に偏った位置で噛みしめるようになります。その部分に過大な力がかかり、痛みとなります。はずれる入れ歯も理屈は同じです。逆に言えばよく噛める入れ歯はズレのないかみ合わせができているということです。ずれたまま裏側をいくら削っても良くなりません。そのため、何度も、義歯を仮の状態で試適し、修正しながら完成してゆくことが必要なのです。ここが皆様に伝わりにくいところです。私の４０年以上にわたる経験の結果です。
治療用義歯をいったん作成します。その段階で、悪いところを修正してしまいます。その後、そのままの情報を完成義歯につなげます。
完成した義歯がいつまでも痛くて、削ってばかりいては元のかたちがなくなってしまいます。このことは皆様、十分にお判りでしょう。
　あとは、技工士の宇都宮さんが、経験を集大成した、どこでもできないような、すばらしい入れ歯を作ってくれます。ただの宣伝ではありません。本当のことです。
　当院では予防処置や歯周病治療のイメージが強いのですが、入れ歯に関しても絶対的な自信があります。ぜひ、ご相談ください。ピッタリ合った入れ歯は、よくかめるだけでなく残った歯を支えて守ってくれます。